ミニマリスト日記

仕事、子育て、ミニマリズムなど。

ノマドランド~死生観と共同体

アマプラで『ノマドランド』という現代のアメリカを舞台にした映画を観ました。 主人公の女性は不況で住んでいる町そのものが消滅してしまい、仕事も家も失った結果 車上生活を余儀なくされます。

アメリカ各地を季節労働者として転々として生活し、 そこで知り合う同じ境遇の人たちとの人間ドラマが作品の主軸になっています。 若く見えましたが主人公も60代で車上生活者の多くが高齢者でした。

非常に過酷な状況ですがアメリカの雄大な大地を車で移動し、 ノマドたちは時に集まり、時に孤独に夜を過ごす様はある種の美しさを感じます。

しかし皆、望んでノマドになったわけではありませんし、その境遇は他人事とは思えません。 車上生活を続ける主人公の女性ですが、生まれは中産階級のそれもやや裕福な部類だと思います。 ところが夫と死別し、リーマンショックで仕事を失ったことで住む家も失ってしまいました。

人生、一寸先は闇。

僕は就職氷河期世代ですが、この世代は比較的豊かな環境で幼少期を過ごし リベラル教育を受けて育ちました。 ところが就職時期が未曽有の不況。非正規労働者が多く、未婚率が急上昇。 引きこもりやニートも数百万人規模でいるそうです。

日本は戦後に経済復興して経済超大国になりましたが、まさか一世代で転落するとは・・・😇チーン

しかし『ノマドランド』からの学びは多く、結局はひとりひとりの死生観が大切だと感じます。 人間、最期は一人で死ぬ覚悟があればそこまで日々の生活に苦しむこともないような。

また家族や小さな共同体もより重要になってきます。ノマドたちは旅の中で助け合いをしています。 そして主人公や出会うノマドたちにも家族がいて手を差し伸べてくれます。 助けを受け入れる人もいれば孤独を選ぶ人もいて、人それぞれの価値観なのでしょう。

政治が悪い、社会が悪いとお国に依存するよりも、生きていく中で共同体を作り 相互に助け合う方が健全なようにも思えます。

人生について考えさせられますし、非常に美しい映画なのでアマプラに入っている人にはおすすめです。 原作の本があるようなので、今度はそれを読んでみようかな。

雄大な大地。
雄大な大地。