ミニマリスト日記

仕事、子育て、ミニマリズムなど。

所得で子育て支援を差別して良いのか?

いわゆる子ども手当は世帯主の年収が一定額を超えると減額されているのですが、 これが世帯年収に変わるそうです。つまり共働きは夫婦それぞれの年収の合算になりますから、 実質負担増となる世帯が増えることになります。

僕は高額所得者を子ども手当や授業料負担の減額対象にすることにもともと反対でした。 なぜなら「子供は社会が育てる」というコンセンサスをないがしろにすると思えるからです。

たしかに世帯年収が1千万円超える世帯では月々5千円の子ども手当がなくても家計はなんとかなるでしょうが、 所得を理由に自分たちだけ子ども手当がもらえないとなった時の心証はどうでしょうか。

国は「金を持っているんだからお前らの子供は勝手に育てろ」とでも言っているのでしょうか?

以前、青山に児童相談所を建設する説明会でヒートアップしたお母さまが 「私たちは金をかけてここに住んでいる。貧乏人の子供を近づけるな!」 と大反対していました。

その発想の良しあしはともかく、国が「金を持っている奴らの教育の面倒はみない」と言っている 以上、「だったら金をかけている私の邪魔をするな」という言い分も筋が通らないわけではありません。

所得を理由に教育負担を選別しては、流行り言葉を使えば、社会の分断を広げることにならないでしょうか。

子ども手当の削減分は待機児童問題解消の財源にするそうですが、だったらまずは現役世代ではなく、 資産のある年金受給者に負担をお願いするべきではないでしょうか。

この件で残念なのは前任者と同様に、菅政権も少子高齢化の最大の課題である世代間格差に切り込む気はないと わかってしまったことです。

今後もサラリーマン狙い撃ちで爆発的な負担増が続きますから、それぞれの家庭で対応しなくてはいけません。

例えば共働きで片方が会社勤めなら片方は事業主で所得を極限まで減らすなど工夫が必要ですね。

公共施設もガンガン利用しましょう。
公共施設もガンガン利用しましょう。

東京ガスというからドアを開けたら・・・

休日の夜は早めにお風呂に入ってご飯を食べて、あとはゆっくり過ごそうと思って本を読んでいると インターフォンがなりました。

夜中なので不振に思いましたが、一応対応すると「東京ガスからガスメーターの点検できました」と言ってきました。

カメラを見るとたしかにガス会社っぽい服装。

何かの故障かと思ってドアをあけると男が、

「料金明細を見せてください!」

と。

いきなり個人情報を見せろと言ってきて不審に思い、

東京ガスの人ですよね?」

「あ・・・いや、東京ガスから依頼を受けてきました」

「名刺を出してください」

しぶしぶ名刺を出す男。

名刺を見ると東京ガスの文字は何もありません(苦笑

早々にお引き取りを願い、念のため名刺の会社を検索するとガス会社の代理店。

要するにガス料金を安くするからその会社と契約しろというアレです。

今どき、こんなセコイ奴らがいるのかと思いましたが・・・

人を騙すようにしてドアを開けさせている企業と契約する気はサラサラありません。 平気で個人情報の横流しをするでしょうし、何をされるかわかりません。

一瞬、どうやってオートロックから入ったのか問い詰め、地域の安全のために警察に通報しようかと思いましたが、逆恨みされる可能性が高いのでやめました。

この手の代理店は断られた腹いせに車を傷つけたり、窓を割ったりするなどの嫌がらせをする事例も多々あります。

人に偏見を持ったり、嫌悪するようなことはしたくはないですが、人を騙すことを何とも思っていない連中に 絶対に関わってはいけません。

社会の汚い部分を見た感じ。
社会の汚い部分を見た感じ。

そろそろ次のステップに

先日、積年の課題だった保険を見直してすっきりしました。

若い頃はいざとなった時の備えになると思い保険に加入しましたが、今は貯金もあるし、会社の休業制度もしっかりしているので あえて手厚い保険でなくても良いかなと。積立金が戻ってくるので、いくらか溜飲も下がりました。

個人年金確定拠出年金で税金控除もできますし、ネット生命保険や共済などで最低限のカバーをしておけば問題ないですね。

昨年からモノや生活習慣の断捨離に取り組んできましたが、保険という最後の大物が片付いた形です。

片づけ宣言のつもりでブログ名も「ミニマリスト日記」にしていましたが、そろそろ新しい目標を作ってタイトルも変更しようかなと。

セミリタイアも目指していますが、コロナで完全テレワークになってから実質セミリタイア状態になっているしなんだかなぁ(笑

今は子育てや家事も大変ですが、長男が小学生くらいになったらむしろ時間を持て余しそうで、今のうちに生涯の趣味を見つけておきたいですね。

絵でも描くか?
絵でも描くか?

高校数学をやり直して思ったこと

週末、久しぶりに都心に車で行きました。 都内の博物館や美術館は予約制で人数制限をいているため、普段よりゆっくり過ごせて良いです。 2月から通勤していないので、整然としたビル群をドライブすると気分転換になります。

ところで最近、高校数学を勉強しなおしていたのですが、数ⅠAから始めてようやく数Ⅲまで終わりました。 白チャートという教科書レベルの参考書を解きなおしただけですが、毎日1時間くらいで進めて3カ月程度かかりました。

普段、論文や学術書で数式は見慣れているのですが、やはり高校生が解く問題となると斜め上を行っていて、懐かしくまた新鮮でした。 (仕事になると曲芸みたいな積分式を使うならモンテカルロを使った方がおさまりが良いとかいろいろ逃げ方はあるのですが、 受験生はそうはいきませんね)

曲芸みたいな積分式も出てきます。
曲芸みたいな積分式も出てきます。

いくつか気づきがあったので書いてみます。

まず率直に、受験生は大変だなと思いました。 高校数学は数Ⅲになるといままで学んだ様々な関数を微積できるようになるので楽しいのですが、 そこまでの道のりが長い。 理系の場合は数Ⅲや物理が必須ですから面白さにたどり着けるのですが、文系で数ⅡBまでだと あまり面白くないだろうなという感想です。

英語と並行して数学を難関大学レベルまで勉強するのは量的にもきついですね。

中高一貫進学校が数学を前倒しで学ばせるのも、後が楽になるからに他なりません。 公立中学から高校受験をする生徒はそれができないので、なるべく英語だけは中学生のうちに英検2級、 できれば英検準1級はとっておいた方が高校生活は楽だと思いました。

ただ高校生は大人からは想像がつかない集中力と体力を持っています。 僕は国立附属あがりですが、中学時代は公立中学と同じカリキュラムで高校の範囲を前倒しで学習した記憶がありません。 それでも同級生は東大や国公立医学部、僕のようなたいして勉強ができない生徒でも早慶くらい受かっていますから、 あまり大人の感覚で焦る必要はないのかもしれません(甘く見すぎでしょうか?)。

もうひとつ、学習は時期があるのだなと痛感します。

高校生の時、数学は苦手でしたが、いまから見ると白チャートレベルならたいして難しくはありません。 おそらく学生時代は数学が苦手だった親御さんも、子供の教科書を見れば同じ感想を抱くと思います。

英語も社会人になってからTOEICや英検を受験する人も多いですが、勉強を進めると大学受験レベルなら 「あれ、こんなに簡単だったっけ?」と拍子抜けしてしまいます。

物事を学ぶには人それぞれに適切な時期があって、当時苦手だったから今もできないと自分の力は制限する必要はありません。 30代や40代になると仕事や生活も落ち着いてきますから、あらためて若い頃に取り組みたかったことをやってみるのも楽しいかもしれません。

真実の愛とは何か?

アマプラで『バチェロレッテ』という一人の女に十数名の男たちが求婚するという番組を見ています。 1人の男に十数名の女たちが求婚する『バチェラー』の女バージョンですが、意外に面白い。

僕は『バチェラー』の1~2シーズンを観たのですが、最後に選ばれたのは若い女性で

「結局女子大生かよ!? テレビの企画なんだから30代の独身おばさんに夢を見させてやれよ!」

とずっこけてしまいました。

その点、バチェロレッテは30代の女性。これならいやらしさはありません。 男たちもあまり本気で結婚を目指しているようには見えず、どちらかというと「他の男に負けたくない」 という意地で戦っていて部活のノリで観やすい。わざとらしい演出もむしろファンタジーとして楽しめます。 これが20代の美女だったら生々し過ぎて視聴に絶えないかもしれません。

バチェロレッテもその辺を感じているのか、男たちになぜこの番組に応募したのか、本気で自分と向き合う気が あるのか、厳しく問いかけていました(そりゃそうだ)。

僕が注目したのは、残っている男たちがおおむね、見た目も良く、筋肉があり、女性への気遣いが丁寧というところです。 脱落した男たちは年齢に比べると外見も中身も幼い印象があり、心身ともにひ弱そうでした。

う~ん、男が「若さ」を第一に求めるのに対し、女性は総合的にパートナーとしてふさわしいかどうかを見るのかなと。

40歳になると同窓生の結婚式もなくなります。
40歳になると同窓生の結婚式もなくなります。

結婚なんてノリだったり、逆に経済面などの現実を見ちゃったりするものですが、「真実の愛とは何か?」という 番組のテーマはむしろ新鮮に感じました。

異動の季節にキャリアの棚卸を

10月は異動シーズンで、部署異動やグループ企業間での出向、転籍が相次ぎます。 僕はあいかわらずですが、今年も同じ部署や一緒に仕事をしたことのある人の異動がありました。

サラリーマンは異動や転勤の拒否権がないため、キャリアや人生設計を会社に握られてしまうというリスクがあります。 営業職など家を購入した途端に地方転勤を命じられたなどという悲劇も日常茶飯事。

裏を返せば、社内で雇用を流動化させることでリストラを防いだり、同じ給料でキャリアチェンジができるという メリットもありますが、突然の異動も覚悟しておかなければいけません。

不本意な異動もありえるので、定期的にレジメを見直しや求人情報もチェックして転職も想定しておいた方が安全。

求人サイトで自分の同職種同年収帯を検索すると、どの企業も募集要項はほぼ英語。 スキルや経験的には問題なさそうですが、求められる英語力はビジネスレベルどころかバイリンガルクラスで 僕のつたない英語では話になりません。

ですが市場の求めるレベルと自分の現状を知っておけば、何が足りないのか、今の環境でどのような取り組みをすれば 足りない能力を伸ばせるのかイメージすることができます。

サラリーマンも大変です。
サラリーマンも大変です。

現状、勤め先はコロナの影響はないですし、むしろテレワークの推進などで労働環境面では改善されています。 ですが良い時だからこそ次の準備をしておかないと、これから何が起こるかわかりません。

社会がどうなろうが、自分は生き残るというタフさが求められる時代になっています。

西和彦さんの反省記

西和彦さんを知っている人はどのくらいいるでしょうか?

僕のような40歳のパソコンオタクでさえ、「アスキーを追い出された変わったおっさん」くらいのイメージしかありません。

仕事中にAmazonを眺めていたら西和彦さんの『反省記』という本が出ていて、気になってKindle版を購入。

読み始めたら面白くて一気に読み終えてしまいました(仕事は・・・?)。

西和彦さんは東大受験に失敗し、早稲田の理工学部に進学します。 そこでマイコン雑誌『I/O』を立ち上げますが仲間割れして独立し、アスキーを創業し『月刊ASCII』を発行。 たまたま若き日のビル・ゲイツマイコン向けのBASICを作ったという情報を得てコンタクトを取り、 マイクロソフト版BASICの日本販売代理店になります。

一時期はマイクロソフトの売上の4割を西和彦さん率いるアスキーマイクロソフトが稼ぎだし、その間も日本の電機メーカーと 組んで多くのマイコンを作ります。

時代はマイコンからパソコンへ。

マイクロソフトMS-DOSというOSをIBMと互換機に提供することで飛躍的な成長期に入ります。

西和彦さんもビル・ゲイツもまだアップルがGUI(現在のようにマウスで画面のアイコンをクリックして作業する形式)のOSを出す前から、 その必要性に気づきますが、まだハード側の性能が追いつきません。

そこで西和彦さんはパソコンの性能を上げ、価格を下げるために半導体の開発が必要だと訴えますが、ソフトウェアにこだわるビル・ゲイツは却下 (事実上の協業関係にあったインテルの競合になりたくないという考えもあるようですが)。

ビル・ゲイツと仲たがいしてマイクロソフトの提携を解消した直後、マイクロソフトは株式を店頭公開し、世界最大の企業へと成長します。

もしその時、ビル・ゲイツと折り合って協業を続けていたら、西和彦さんも億万長者の仲間入りができたでしょう。 大金持ちになり損ねた後悔とビル・ゲイツと喧嘩した悔しさで西和彦さんはアスキーを成長させようと決意し、半導体事業にも巨額の投資をします (しかも信頼していた自分の右腕が代わりにビル・ゲイツと組んで大金持ちになってしまったという)。

史上最年少でアスキーを上場させますが、無茶苦茶な投資と経営実態が明るみになり、アスキーは倒産寸前になります。

銀行からも見放され、人材派遣会社に泣きつき資金をえますが、結局、西和彦さんはアスキーを追い出されてしまいます。

その後は教育分野に力を注がれているそうです。

僕は中学の頃にアスキーが発行している『EYE・COM』というパソコン情報誌を読んでいたので、西和彦という名前は知っていましたが、 いったい何をした人なのかはいまいちわかっていませんでした。

本書を読む限り、振る舞いによっては孫正義さんのような大起業家になれたのかもしれません。

その孫正義をして「西和彦さんの活躍で日本のコンピュータ業界は発展した。西さんがいなければ1年は遅れていただろう」

と言わしめ、

西和彦さんも「えー!? たった1年!?」

と憤っていました(笑

たしかにマイコン黎明期に日本の電機メーカーをとりまとめ、マイクロソフトなどの海外企業との橋渡しをした西和彦さんの 功績は大きかったと思います。

残念なのは資金難の影響で西和彦さん率いるアスキーが95年以降のインターネットの普及に全く関与できなかったこと。 歯がゆい思いだったのではないでしょうか。

また資金提供で泣きついた先が人材派遣会社というのも筋が悪いように思えます。 というのも、日本のIT化が諸外国と比べて大いに遅れているのは、IT業界そのものの産業構造に原因があります。 日本のIT産業の阻害要因である人材派遣会社に頼らざるをえなかったことも、皮肉としか言えません。

しかし僕より年代が上の世代では「西和彦の天才性に時代が追いつけなった」と褒める人が多いのも事実。

古き良きマイコン時代を疑似体験できますし、その時代を生きた人間の紆余曲折が赤裸々に描かれている本書はおすすめです。

僕が中学で最初に触れたパソコンはこんなのです。
僕が中学で最初に触れたパソコンはこんなのです。