ミニマリスト日記

仕事、子育て、ミニマリズムなど。

脆い安定にしがみつくか飛躍を試みるか

僕は50歳までにセミリタイアを目指していますが、つきつめれば 「今の仕事がつまらない」という根本原因があります。

そもそも仕事が好きな人なら、仮に経済的に自由の身になってその仕事を辞めることはないでしょう。 アーリーリタイアは一見、うらやましいものですが、よくよく考えれば 「仕事に情熱が持てない」という不幸な状態なのかもしれません。

僕が好きな本に『ITベンチャーに飛び込んでわかったこと』(原題『THE LEAP』)があります。 筆者のトム・アッシュブルックはボストングローブという一流紙の記者で3人の子供の父でもあります。 彼が40代に差し掛かり、仕事も円熟してきた時、ベンチャー企業を立ち上げようとしている旧友と再会しました。 筆者は友人のビジネスに興味を持ち、本業のかたわら、毎日のように自分たちのビジネスの 立ち上げに熱い議論を交わすようになります。

そしてついに筆者は長年勤めた大手新聞社を退職する決意をしますが、 妻からは「あたなはそんな(馬鹿な)ことをする人じゃないわ」と言われ、 子供からも「パパ、僕たち小さなアパートに引っ越すの? でも気にしないよ」と慰めを受けます(笑 筆者も退職届を出す瞬間も、その後も自分の選択に自信がありません。

そこからの毎月の支払い(家計も会社も)の恐怖と戦う日々が生々しく描かれています。 そしてようやく、彼らのビジネスが実を結び始める・・・というストーリーです。

僕は翻訳本だけでは飽き足らず、原著まで輸入して繰り返し読んでいます。

まさにバイブルです。
まさにバイブルです。

妻子持ちの40代、一見安定している仕事に疑問を持ち始めているという筆者の状況に、僕は共感せざるをえません。 本の舞台は1994~2000年代というまさにインターネットが普及する前夜。新しいテクノロジーによって、 明るい未来が待っていると人々が思い始めた時代です。 ところが2020年の日本は迫りくる大不況や不安定な国際情勢の中で、とても未来が明るいとは言えません。 この状況の中で、天職を見つけることは簡単ではありません。 ですがチャレンジを避け、情熱を傾けられない仕事を続けることは、遥かにリスクの高いことだと感じます。