星の鼓動は愛

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『幸福の「資本」論』〜思考と疑問は他人の知恵を借りてでも言語化した方が良い

橘玲著『幸福の「資本」論』を読んだ。

僕はサラリーマンをしている傍で個人事業をしている妻子持ちの
善良な一市民だが、仕事や生活の中で自分の方向性を模索したり、
あるいは日本社会に様々な疑問を抱いていた。

例えば会社でかなきり声を出す上司と詰められる同僚を見て

「こいつら、なんでこんな些細なことに親でも殺されたかのごとく
切羽詰まっているんだ? 『間違えちゃったテヘペロ』、
『次から気をつけようね』・・・で良いじゃねえか」

と冷ややかな視線を送っていた。

あるいは、僕は個人事業の売上を節税できることに驚きを感じた。
その威力たるや驚くべきものだ。サラリーマンで毎年100万円貯める
ことがどれだけ大変だと思っているんだ。副業したら一瞬じゃねえか!
と天変地異が起きたかのように震えた。

これはサラリーマン生活はほどほどに、副業に全力で取り組んだ方が
人生豊かになるのじゃないかと人生の方向転換をしようとしていた。

しかしその方向性や疑問を言語化することができていなかった。
なんとなくそう感じる・・・程度である。

ところが『幸福の「資本」論』は筆者の幅広い知識と深い洞察の元、
僕のモヤモヤしていたものが見事に明文化されていたのだ。

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まるで暗闇の中で航路を照らし出す灯台のような本だ。
(失礼ながら、僕は筆者がどのような人か全く知らないし、そもそも
名前の読み方すらわからないのだが・・・)

筆者は「金融資産・人的資本・社会資本」というフレームワークを用いて
僕たちの人生を紐解いている。

金融資産は文字通りだが、人的資本は働いて金銭を得るための力、
社会資本は人間関係だ。

筆者の以下のように結論づける。

  1. 金融資産は分散投資
  2. 人的資本は好きなことに集中投資
  3. 社会資本は小さな愛情空間(家族や恋人)と大きな貨幣空間(友人、同僚、取引先など)に分散投資

僕は1と3については全くの同意見だ。
1は言うまでもないが、3の社会資本は的確な理由付けと明文化
されていたことに僕は勇気付けられた。
僕は真に親密な関係は家族だけで十分だし、年に1、2回程度、
食事をして近況を報告し合う友人が数名いれば良いと考えているからだ。
個人事業のクライアントは友人ではなく良きビジネスパートナーだし、
会社の同僚・上司は僕の人生のモブでしかない。
マイルドヤンキー(地方在住の若い貧乏人たち)や普通のサラリーマンは
友人や同僚・上司といった社会資本が生命線だが、僕にとっては過渡の
交遊は成長を妨げるマイナス要因でしかない。
家族と少数の友人、ビジネスパートナーだけいれば十分である。

一方で、筆者は人的資本を好きなことに集中投資することと、
子供の頃のキャラが「自己実現のためのほんとうの自分=天職」と述べているが、
これに関しては完全に同意はできない。

なぜなら、本来の自分は経験がないと気づけないからだ。
僕は元来オタク気質なので、営業などは全く向かないと考えていた。
ところが20代の頃に人とコミュニケーションをする仕事をした時、
意外にも自分は営業向きなのではないかと気づいた。今でも個人事業は自分で
営業しているが、ちまちまシステムを開発するよりも、クライアントの抱える
問題や解決方法を一緒に模索する方が向いていると感じる。
これは最近になるまでわからなかった、自分に対する発見である。

以前紹介した『Grit』でも天職はすぐに見つけら れるものではなく、
さまざまな試行錯誤と努力の末にたどり着くものだと述べられていた。
天職は常に探し続けなければならないものだろう。
(まぁ、しかし、覚えていないだけで子供の頃に原体験があるのかもしれないが)

だが筆者の言う「人的資本は好きなことに集中投資」という考えは否定できない。
結局、どんな努力も「そもそも対象が好きな人」には勝てないからだ。
そして何かをやろうとする人にとって、日々の時間はあまりにも少ない。
嫌いなこと、興味もないことに避ける時間は全くないのだ。

なんにせよ、橘玲氏の『幸福の「資本」論』は自信をもって薦められる良書だ。

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日々の思考や疑問はなるべく言語化した方が行動に落とし込みやすい。
時間がなかったり、あるいは単純に知識や知力が不足している場合、
誰か他人に手助けしてもらう方が良いだろう。